触れる前から、使う前から、 線と影だけで成立してしまう美しさがあります。
新里竜子の代名詞とも言える「しのぎ」の線が、器の表面を流れるように巡り、やがて首元では透かし彫りへと移ろっていく——。 この花器は、機能を超えて、視線を受け止めるための造形として成立しています。
一定のリズムを保ちながらも、完全な左右対称には収まらない曲線の連なり。 削り出された線は、光を受けて柔らかな陰影を生み、時間帯や置く場所によって表情を変えていきます。 花を挿さずとも、そこに在るだけで空間の重心が静かに定まる存在感があります。
釉調は落ち着いた生成り。 線の起伏がより際立つよう抑制された色味でまとめられており、装飾性の高さと静けさが同居しています。 日用品としての「器」という枠を軽やかに越え、彫刻的な美を宿した一点です。
一輪の草花を添えれば、透かしの隙間から覗く影が花と呼応し、完成する景色があります。 再入荷の予定はなく、この一作との出会いは一期一会。 新里竜子の造形美を、暮らしの中で、あるいはコレクションとして迎え入れていただきたい作品です。
素材:陶器
サイズ:高さ 約21cm/横幅 約14cm
仕様:一点もの(再入荷予定なし)
お取り扱いについて:電子レンジ・食洗機不可