まず目を奪われるのは、その立ち姿の緊張感です。 上へと引き伸ばされた細身のフォルムに、途切れることなく刻まれたしのぎ。 下部に集積するスタッズ状の造形が、視線を確かに受け止め、全体を安定させています。
この一輪挿しは、花を引き立てるためだけの器ではありません。 線そのものが主役となり、陰影が構造を語る── 彫刻的な思考で組み立てられた造形です。
白釉は決して均質ではなく、 稜線の凹凸に沿って光を抱き、影を落とし、 時間帯や置く場所によって表情を変えていきます。 一輪を挿せば、その存在はより際立ち、 何も挿さなければ、造形そのものが静かな緊張を保ったまま空間に立ち続けます。
日用品としてではなく、 美を配置するためのオブジェとして選びたい一作。 コレクションピースとしても、空間の軸としても成立する存在感です。
サイズ ・底幅:約8cm ・高さ:約14cm
※一点もののため、釉薬の表情やしのぎの陰影には個体差があります。